抗体、ペプチド、化合物にBTペプチドを付加することによって脳実質に届けることの可能性を広げる技術です。

BTペプチドはミクログリアの研究の過程で見出されました。ミクログリアは脳に存在し、血液脳関門を通過する際に細胞内を通過します(図1)。今回のBTペプチドを見出すに至ったミクログリアはマウス及びラット脳から培養を何代も繰り返してもその性質が変化しない株化ミクログリアを分離することに成功したことに起因します。 ミクログリアのcDNAライブラリおよびランダムペプチドライブラリより生物活性をもった遺伝子産物をスクリーニングして脳を標的化する活性をもつペプチド断片を分離同定しました。このペプチドを用いることにより種々の物質を脳内にトランスサイトーシスで送り込むことを可能にします(図2:脳移行例)。 ペプチド機能の解析で脳移行活性には環状化の構造が必須なことがわかっています。さらに体内での代謝による分解への安定性を上げるためのアミノ酸組成の改良を行いました。環状型改良ペプチド(BTペプチド[C]K004K)と蛍光タンパク質、酵素タンパク質、ビオチン-金、低分子化合物と結合した融合物の脳実質への移行性を確認しています。BTペプチドとsiRNAなどの核酸、ペプチド薬剤、リポソームなどとの結合による脳実質への移行にも応用できると考えられます。
| 図1:ミクログリア細胞の脳特異的侵入 =トランスマイグレーション =血液脳関門を破壊しない特異的な性質 |
図2:BTペプチド付加による脳移行例 BTペプチドと抗体融合物の脳移行性の確認 |
![]() トランスマイグレーションイメージ(左) ![]() 脳実質に移行したミクログリア |
![]() 抗体BTペプチ融合物を静脈注射し、脳に移行したBTペプチド融合抗体量の測定結果 コントロールのビオチン化のみの抗体と比較してBTペプチドを付加した抗体のほうが多く脳に移行していることが確認できています。 |
